シリーズ10
羊毛事業部

急激に発展する中国投資の大半は安い労働力を基盤においた生産拠点を作るためだ。しかし、自分の母国ならでは深い愛情を持って中国の巨大な市場性に賭けようとする男がいる。王 康林。大陸への挑戦を語る。
日経産業新聞 2002.9.10 掲載

クラボウ烈伝人物編  シリーズ10 羊毛事業部
今や繊維の枠を超え、多彩な分野へと領域を拡げ続けるクラボウ。
そのターニングポイントには必ずひとりのキーマンがいる。
彼らの想いに、クラボウの明日が見えてくる。
新発想で中国巨大市場に挑め!!
中国投資には新しい視点が必要だ。
中国のWTO(世界貿易機関)加盟に前後して、日本の対中投資がここ数年、再び熱狂している。日本に比べ圧倒的に安い人件費を利用して、強い価格競争力を生み出す生産基地として活用しようとするためだ。しかし、沿海部の大都市とその周辺地域は急速な経済成長と共に、巨大な市場が形成されつつある。歴史的に早くから中国での生産を必然としてきた紡績産業にあって、この市場を相手に輸出ビジネスを確立しようと、いわば未知の領域へ果敢に挑み続けているのがクラボウの王(ワン)だ。
国民性の理解なくして成功なし。
中国、江蘇省生まれの王は1986年、20歳で来日。クラボウが中国で一貫工場建設を計画していた94年に入社した。当初数年をデリバリー担当として過ごした王は言う。「中国は輸出時は関税がかからない。しかし、広大な国内でのモノの移動には当時で17%もの増値税が発生した。この環境で素材や製品の最も効率の良いデリバリーを学んだ」。彼の知識は商社マンたちが教えを乞いにくるほどになった。97年、念願の営業に配属された王は、それまで中国の生産拠点を活用したテキスタイルの生産・販売のみだったビジネスを、中国でのビジネスパートナーとなる企業を探し出して二次製品の生産・販売まで展開し、ビジネスの規模を拡大してきた。国民性の違いから日本では考えられないような障害が中国ビジネスでは多発する。しかし、王がいたからこそ、クラボウは成功した。「すべてがクラボウではじめてのことだった。そのキーマンとして活躍できたことは大き自信につながっている」と王は胸を張る。
夢は日本と中国の新しい関係づくり。
王がいま中国の拠点としているのは上海だ。中国で最も成長著しい国際都市で、理想的なビジネスパートナーに出会った王の夢は、中国を市場として日本製品の輸出を成功させることだ。「日本の技術は素晴らしい。中国の消費者もそれを知っている。そして、現在の中国には大都市を中心に日本製品を買える経済力と消費意欲が十分にある。この好機を逃さず、中国人である私が中国を生産拠点としてではなく、輸出先として商売し利益を上げることができれば、日本と中国の新しい関係づくりにも貢献できると思う。」王の夢は大陸のように広大だ。
王は2カ月に一度、上海にわたる。日本に帰るときには中国の現地メーカーで試作した製品を巨大なスーツケースに満載する。日本のサンプルを満載して中国にわたる日も近い。


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