ダイオキシン措置法の施行によって、年々、休止していく廃棄物焼却炉。しかし、「有効な焼却は国土の狭い日本には欠かせない」という信念の元に新たな産廃処理の活路を見いだそうとする男がいる。
日経産業新聞 2002.12.25 掲載

クラボウ烈伝人物編  シリーズ13 エンジニアリング事業部
今や繊維の枠を超え、多彩な分野へと領域を拡げ続けるクラボウ。
そのターニングポイントには必ずひとりのキーマンがいる。
彼らの想いに、クラボウの明日が見えてくる。
産廃に目を向けろ!
「焼却」は廃棄物の最終ゴールだ。
平成12年に施行されたダイオキシン対策特別措置法によって、その基準に満たない国内の廃棄物焼却炉は続々と休炉している。新たに建設しようとしても、これまで出ていた国からの建設補助は財政難の折から受給困難になっている。しかし、廃棄物は出続けている。これまでの小型焼却炉による自社廃棄物処理から、大型焼却炉による統合処理へ、産業廃棄物の焼却処理は大きな転換期を迎えている。ここに新しいビジネスチャンスを見いだそうとしているのが、クラボウ入社以来、一貫して焼却炉の設計・営業に携わってきた吉垣だ。
行政ニーズから民間ニーズへ、対応力強化。
炉の中の砂で焼却物を砕き、焼却時の熱も砂で蓄熱することで燃料費を削減する焼却炉、それが流動層焼却炉…クラボウが昭和50年代に独自開発し、平成元年頃、吉垣が拡販業務を担当することになった焼却炉だ。クラボウは「し尿」処理の際に出る汚泥の焼却炉としての販路を見いだし、吉垣に拡販を託した。吉垣の奮闘と装置の性能が評価され、し尿処理分野でそれまで無名だったクラボウの名は、約1年で認知されるようになり、受注も順調に推移した。「しかし、し尿汚泥焼却炉の市場は小さかったので、早急に新規顧客を開拓する必要があった。」吉垣は、民間の食品・製紙・工業油脂分野へと積極的にその用途提案を拡大していった。「工業油脂廃液の焼却処理は困難を極めた。当初、10種類の廃液処理を想定し設計したが、実際は100種類に対応できる処理能力が必要だった。」という吉垣は、自治体のし尿分野にはなかった民間ならではのハードなニーズを次々にクリアしていった。そして、汚泥処理量では産業界でも抜きんでる製紙分野での実績を評価され、遂に産業廃棄物への対応を求められることとなった。
産廃処理のあるべき姿を具現化。
「リサイクルといっても、廃棄物が完全再生することはない。必ずいくらかは廃棄物として残り、その処理には国土の狭い日本にとっては焼却が不可欠だ」という吉垣は、今、製紙会社等が手がけようとしている新事業、産廃処理のための焼却炉竣工を目前に控えている。「自社廃棄物を処理する必要がある民間企業は、自社以外の産廃まで処理できる焼却炉を建設し新事業とする傾向がこれからますます強まるであろう。産廃処理はとかく悪いイメージでとらえられがちだが、産業の発展と環境保全には不可欠だ。環境装置メーカーが企業とタイアップして、この巨大なニーズに取り組んでいくことが大きなビジネスチャンスになる」と吉垣は言い切る。
吉垣が設計に心血を注いだ産廃処理プラントがまもなく竣工する。稼働すれば、間断なく膨大な産廃がやってくる。この成否がクラボウの焼却炉ビジネスの命運を握っている。


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