シリーズ14
技術研究所

年々膨大な数量が生産される缶製品。その表面の微細な傷や印刷のズレに対する品質管理は世界の中でも日本が最も厳しいといわれる。このニーズの商品化に成功した男がいる。
日経産業新聞 2002.12.25 掲載

クラボウ烈伝人物編  シリーズ14 技術研究所
今や繊維の枠を超え、多彩な分野へと領域を拡げ続けるクラボウ。
そのターニングポイントには必ずひとりのキーマンがいる。
彼らの想いに、クラボウの明日が見えてくる。
目指すのは、ヒトの眼だ!
「色」は紡績会社のお家芸だ。
染色が不可欠な紡績会社にとって、思い通りの色を再現するための「色の管理」は産業界の中でも屈指の歴史を持つと言える。熟練の技術者の「眼」によって支えられてきたこの工程が、技術の進歩によって急速に自動化されてきた。クラボウも独自の研究によってさまざまな自動化を実現し、同時に多彩な産業への商品化に成功している。しかし、「まだまだヒトの眼にはかなわない。」と色を通して検査分野の市場を拡げようとしているのが、クラボウ技術研究所の黒澤だ。
色から画像へ。自社開発カメラで一気に飛躍。
対象物の色そのものを測定し検査に応用するクラボウのカラーセンサー。このソフトウエア開発にも関わった黒澤が新しい技術の開発を命ぜられたのが、平成3年、入社2年目のことだった。「何か見つけなければ仕事がなくなる」と思うまで黒澤を追い込んだこの業務命令は、それまでの測定対象だった「色」を「画像」へと黒澤の頭を切り替えさせた。そして当時の大半の検査機器がモノクロ画像でしか情報を取り込めないことに目を付け、実験機を開発。「これをアダプターとして接続すればカラー画像の情報も取り込み測定できる!」と見込み客に説明し回り、遂に色画像抽出装置KA-100の1号機を開発した。「1号機は基板の回路設計から自分でやった。若かったので、ニーズがあるから絶対に売れると自信満々だった」という黒澤は、1号機を商品化したあと市場ニーズに合わせたさまざまなバージョンアップに成功した。「しかし、ある缶メーカーの依頼には苦戦した。求められる大量・高速検査が当時の技術では対応できなかった。」という黒澤は、数年後、計測チームにカメラの自社開発まで依頼し、遂に画期的な缶外面検査装置を生みだした。
ニーズに即応できる開発スピード。それが命。
黒澤は今、缶外面検査装置の納入先で大半の研究時間を費やしている。「市場のニーズが多様化し、納入先も次々と斬新な製品を開発する。その開発スピードに合わせて我々も検査技術を開発して行かねばならない。このスピードを上げるためには、フィールド研究が一番だ。」という黒澤はこう続ける。「ヒトの眼は本当にすごい。我々の検査装置は印刷物のような定型パターンは良・不良の検査ができるが、自然木に色を付けたような不定形のものはそこに傷があっても善し悪しが認識しにくい。しかし、ヒトの眼ならできる。このヒトの眼が持つ能力に一歩でも近づくことが、今、大きな夢だ。」
黒澤がKA-100の1号機で自作したように、クラボウでは検査用カラーカメラでさえも自社開発する。もはやそこには、紡績会社のイメージはない。


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