シリーズ15
AHP推進グループ

ニーズがまさに十人十色のため、オリジナル製品での新規参入は困難とされる介護市場。ここに逆転の発想で切り込み、介護か ら生活用品へと用途開発に目を向けた男がいる。
日経産業新聞 2003.1.27 掲載

クラボウ烈伝人物編  シリーズ15 AHP推進グループ
今や繊維の枠を超え、多彩な分野へと領域を拡げ続けるクラボウ。
そのターニングポイントには必ずひとりのキーマンがいる。
彼らの想いに、クラボウの明日が見えてくる。
「介護」はすべての軸足だ!
勢いづくか!? 介護マーケット。
介護保険が変わりはじめた。導入当初は、果たして介護サービスが行き渡るのかが危惧され、参入した民間企業も収支に苦しんだ。しかし導入されて3年、状況は好転している。GDP(国内総生産)統計の調査では、保険利用をきっかけにした介護市場での消費は上向いている、という報告がなされた。まだ未完の部分も多いが、市場原理を活かして質の高い介護サービスを提供するという介護保険制度の狙いは着実に達成に向かっている。この間、制度の成熟と歩みを共にしてきた男が、クラボウにもいる。デニム営業の日々がある日突然、未知のプロジェクト開発となった新田だ。
調査に2年。ひと言で一気に突破。
「エイジレス・ヒューマンライフ・プロジェクト(AHP)の専任担当を命ず。」一枚の辞令と共に、介護・高齢者関連での新規事業開発命令を新田が受けたのは、1999年。介護保険導入の半年前であった。当時の新田に介護保険の知識は皆無だった。「3年間で実現」という条件を前に新田は「なぜ、俺が?」という疑問を抱く間もなく、まずリサーチから始めざるを得なかった。AHPは繊維・非繊維の様々な事業部をもつクラボウが、事業部・関連会社横断で達成を目指す初めてのプロジェクトだった。各事業部や関連会社から結集する兼任担当者との月1回の会議ごとに成果を上げるべく、新田は手探りの調査に最初の1年間を費やした。1年目のテーマ、介護関連施設の経営は断念した。2年目は介護専門学校との産学協同という形で、介護特化型商品開発の可能性に賭けた。「しかし介護の現場を知れば知るほど、ニーズは十人十色。そのニーズを最大公約数的に満たす商品開発や機能だけでは、とても既存品との差別化を図れない。」という新田は2年目も成果を上げることができずに終えた。転機はある病院長のひと言でやってきた。「介護用クッションの提案を受けたが30種類もあって十数万円もする。お宅で何とかならないか?」
必要なのはサムシングニュー。
「化成品事業部のウレタンを応用しよう。数が必要なら、変形と固定が自由にできるモノを作れば数を減らせる。」こう考えた新田は手作りで試作を上げて会議に持ち込んだ。「出席者が思い思いに使い始めたのでイケると直感した。」という新田はそこで「既存品を作っても競合に勝てない。新しい用途を提案できるサムシングニューが必要だ。」と実感した。くねクッションと名付けられたこの商品は介護用というより、より多くの人々の生活用品としての可能性が大きい。新田は言う。「今は販路開拓とこれを核にした商品開発が目標。消費者の視点でクラボウ社員全員のアイデアを活かして今後も新製品を、介護を軸足に開発していきたい。」
「介護用は機能優先。しかし生活用品になると仕様も問われる。」という新田は試作品のくねクッションに顔としっぽもつけてみた。「店頭でのアピールが難題だ」という新田の挑戦は続く。


この広告に関するご意見、ご要望をお聞かせください。 クラボウ 広報グループ E-mail:pr_grp@kurabo.co.jp

シリーズ広告ギャラリートップへ
PAGE TOP