80年代の終わりに到来したバイオブーム。膨大な遺伝子の抽出作業が、あらゆる研究機関で始まったが、それはほとんど手作業となり、研究者たちの貴重な時間は準備のための単純作業に大半が割かれた。クラボウはこの問題を画期的な核酸自動分離装置の開発によって解消した。
日経産業新聞 2001.12.12、2002.3.25掲載

クラボウ烈伝  シリーズ4 バイオメディカル部
綿紡績で創業し、百十余年の時を経て、今や繊維の枠を超え、
多彩な分野へと発展の場を拡げ続けるクラボウ。
それぞれの足がかりとなった着想、決断、そして試行の足跡を追う。
ヒトゲノム計画への活路
第一次バイオブームでニーズが浮上。
80年代終わり、遺伝子がようやく試験管の中で扱えるようになり、バイオブームが到来した。実験設備の自動化(ラボラトリーオートメーション)という概念が誕生した頃であり、あらゆる機関で研究が始まったが、遺伝子抽出の作業は全て手作業であった。増殖させた遺伝子を、細菌から分離させる…。途中、試薬を加え、遠心と撹拌を繰り返し、初めて分離する遺伝子。デリケートな構造のため、作業は慎重を要した。そのため当時の研究者はほぼ毎日、貴重な時間をこの単純労働に費やさざるを得なかった。当時あった自動化機器は莫大なコストと巨大なサイズであったため、コストパフォーマンスの高い自動化機器の登場が渇望されていた。
独創のシステムで一号機完成。
このニーズに着目し、クラボウは多角化の一環としてバイオメディカルプロジェクトを始動した。プロジェクトチームに与えられた課題は、低コストで実現できるプロト機の完成。そこで、技術研究所にあった生物工学と、メカトロニクスなどの技術基盤が応用され、試行錯誤の末に核酸自動分離装置一号機を完成させた。それまでは冷却が必要だった分離工程を、常温で可能にしたため、冷却装置のコストが省けた。さらに、従来ピペットで試験管一本ずつ試薬を投入するスタイルを、独自の連結型チューブを開発して解決。チューブを傾け試薬を移し替えるこの方法は、デカンテーション法と呼ばれる画期的な手法であった。こうした独創性と低価格によって、クラボウは幅広い研究者の支持を得ることに成功。さらに数年後に到来したヒトゲノム計画で弾みもつき、クラボウの核酸自動分離装置は一気に普及した。
三種の神器と称され、ヒトゲノム計画にも貢献。
研究者たちを、単純作業から解放した功績により、この装置は遺伝子解析の三種の神器のひとつ、とまで賞賛された。そして、ヒトゲノム計画においては、構造解析から機能解析へと推移した研究テーマによって、新たな需要も期待されている。また、ゲノム情報を元にした新しい研究分野においてもニーズの高まりを見せ始めている。そのひとつが、医薬開発分野におけるテーラーメード医療。すなわち、遺伝子分析を元にして個人個人の体質にあった医薬品を開発したり、遺伝子欠陥の診断に応用する…。クラボウは様々な分野でバイオメディカルの明日を支え続けている。


この広告に関するご意見、ご要望をお聞かせください。 クラボウ 広報グループ E-mail:pr_grp@kurabo.co.jp

シリーズ広告ギャラリートップへ
PAGE TOP