クラボウ(資本金220億円、本社 大阪市中央区、社長 井上晶博)技術研究所と化成品事業部は、ナイロン系耐熱フィルム「EXAMID(エグザミド)TM」とPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)系耐熱フィルム「EXPEEK(エクスピーク)TM」を開発し、4月からサンプル出荷を開始します。平成18年に販売を開始した熱可塑性ポリイミドフィルム「Midfil(ミドフィル)®」に続くスーパーエンプラフィルムの第2弾として、主に電子部品材料分野で用途展開を図ってまいります。「EXAMID(TM)」、「EXPEEK(TM)」は、4月14日(水)から東京ビッグサイトで開催される第1回高機能フィルム技術展に初出展します。
1.開発の経緯
化成品事業部では、現在、自動車内装材分野や一般産業資材分野向けに押出成形によるホットメルトフィルムの生産・販売を行っています。また、耐熱性、電気絶縁性が求められる電子材料分野向けには、熱可塑性ポリイミドフィルム「Midfil®」、太陽電池分野向けにはEVA封止材など各種フィルムの開発・販売も展開しており、機能性フィルムのラインアップ拡充を図ってきました。
電子部品材料分野は、さらなる高機能化、高品質化が求められており、使用される機能性フィルムの素材、加工条件、価格帯など様々なニーズに見合ったスーパーエンプラフィルムの開発が求められています。このようなニーズに対応するため、これまでに培った製膜技術と原料コンパウンド技術を活用することで、従来品から大幅に耐熱性を向上させるとともに、線膨張係数(CTE)(注1)を低減させたナイロン系・PEEK系フィルムの開発に目処をつけ、4月からサンプル出荷を開始します。
2.商品の概要
(1)耐熱ナイロンフィルム「EXAMID(TM)」
「EXAMID(TM)」は、従来のナイロンに比べ耐熱性を約40℃上げることに成功しました。また、吸水率も従来のナイロンの半分以下である約2%と低いため膨張による変形の影響も少ないという特性があります。従来のナイロンでは、耐熱性や物性面で使用できなかった用途・分野への展開が可能となります。
@特長
・優れた耐熱性
・高温時の優れた強度と寸法安定性
・ナイロンの中で最も低い吸水性
・高い摺動性
・ガソリンに対する優れたバリヤ性
・優れた耐薬品性
・25〜100μmまでの厚み対応
A用途例
振動板、自動車部品、携帯電話部品 など
(2)PEEK系耐熱フィルム「EXPEEK(TM)」
「EXPEEK(TM)」は、従来のPEEK系フィルムに比べ耐熱性を約50℃高め、さらに線膨張係数も約5割下げることに成功しました。これにより高耐熱用途への展開が可能になり、ポリイミドよりも低い吸水性、高い視認性や優れた強度により高度な生産・加工が必要とされる用途・分野への展開が可能となります。
@特長
・PEEKの特性はそのままでさらに耐熱アップ
・高温時の優れた強度と寸法安定性
・ポリイミドよりも低い吸水性
・耐磨耗性に優れる
・ポリイミドよりも高い視認性
・優れた強度
・優れた耐薬品性
・25〜100μmまでの厚み対応
A用途例
電子部品、耐熱摺動部材、耐熱テープ など
3.今後の展開
今回開発したフィルムは、新規開発材料であるため、当面はサンプル出荷を行い実用化試験と具体的な用途開発を実施し、最終仕様を決定します。平成24年度からの本格生産を目指します。
4.展示会出展予定
第1回高機能フィルム技術展
開催日:平成22年4月14日(水)〜16日(金)
場 所:東京ビッグサイト 東京都江東区有明3-11-1
小間番号:F8−35
備 考:従来のポリエステルフィルムよりも耐加水分解性を良くした、開発中の特殊ポリエステル系フィルムも参考出展の予定です。
5.問い合わせ先
クラボウ 化成品事業部
東京支社 技術統括部 調査・開発グループ 伊瀬知(イセチ)
〒103−0023
東京都中央区日本橋本町2丁目7番1号(NOF日本橋本町ビル3F)
TEL:03−3639−7080 FAX:03−3639−7007
以上
(参考)現時点での基本性能
■融点 ※測定方法 差走査熱量測定(DSC)
エグザミド273℃ エクスピーク343℃
■ガラス転移温度 Tg ※測定方法 熱機械分析(TMA)
エグザミド250℃ エクスピーク330℃
■線膨張係数(50-100℃) ※測定方法 熱機械分析(TMA)
エグザミド25ppm/℃ エクスピーク25ppm/℃
■引張強さ ※測定方法 JIS K7127
エグザミド100Mpa エクスピーク170Mpa
■引張伸び ※測定方法 JIS K7127
エグザミド80% エクスピーク40%
■引張弾性率 ※測定方法 JIS K7127
エグザミド2200Mpa エクスピーク3100Mpa
■吸水率 ※測定方法 JIS K7209
エグザミド2% エクスピーク0.2%
(注1)線膨張係数(CTE)とは、温度の上昇に対応して長さが変化する割合
のこと(coefficient of thermal expansion)
*「EXAMID(エグザミド)TM」、「EXPEEK(エクスピーク)TM」は、商標出願中です。
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