ニュースリリース

2001年

2001年06月06日

先端技術グラフト重合の応用によるアミン系消臭素材の開発に成功

 

クラボウ(資本金220億円、本社 大阪市中央区、社長 真銅孝三)綿合繊事業部は、放射線グラフト重合技術の応用によって、消臭性能、洗濯耐久性共に優れたアミン系(注1)消臭素材を開発しました。
 当社は、繊維素材の特性を生かしたまま新しい機能を発揮する高機能素材の開発をテーマに、日本原子力研究所高崎研究所の基礎技術を応用し、株式会社環境浄化技術研究所(注2)と共同研究を進めてまいりました。
 今回のアミン系消臭素材は、放射線グラフト重合の基本技術を繊維の加工に応用したもので、従来の加工方法とは異なり、後加工では得ることのできない優れた耐久性と機能性を持っています。
          
             
1.放射線グラフト重合技術について
              
 放射線グラフト重合(グラフトは接ぎ木の意味)とは、繊維の骨格を構成する分子に別の分子を化学的に結合させて、新しい機能を付与する複合機能化技術です。この際に母体となるポリマー(注3)を構成する分子の一部を切断し、新しいモノマー(注4)を継ぎ足す場所(ラジカル)を作る手段として、放射線を利用します。
 従来からラジカルを作る手段として、熱や紫外線も用いられていますが、放射線はエネルギーが高いため容易にラジカルを作り出すことが可能であり、重合の際に起こす触媒(重合開始剤)も不要です。
 放射線グラフト重合の最大の特長は、母体となる素材の特性を損なうことなく、新しい機能を効率よく付加できることです。また、モノマーが母体となる素材に化学的に強く結合しているため、耐久性に優れていることです。この技術は応用範囲が広く、様々な機能を持つモノマーを導入することにより、目的に沿った機能素材を開発することができます。
        
             
2.素材の安全性について
                  
 放射線には、X線やガンマ線、電子線、アルファー線などがあり、光や電波、赤外線、紫外線と同じで添加物や薬剤のような物質ではありません。従って放射線が照射対象物に残留することは全くありません。これは、電子レンジで食品を温める際にマイクロ波が食品中に残ったり、レントゲン写真を撮る際に、X線が身体の中に残ることが科学的にありえないのと同じ理屈です。
 ガンマ線や電子線などの放射線を利用した技術は、他にも様々な分野で実用化されています。例えば医療用器具(注射器、カテーテル、メス、手術用糸など)の滅菌は、ガンマ線照射が主流になっています。またじゃがいもの発芽を抑制し、保存性を高めるためにガンマ線照射が行われています。その他フロッピーディスクの磁性体の摩耗防止などに電子線が利用されています。
        
                         
3.グラフト重合を応用したアミン系消臭素材の特長
            
 従来の加工方法とは異なり、官能基(注5)を持つモノマーを直接素材に導入し、化学的に強く結合させているので下記の特長があります。
 1)即効性がある(すばやく消臭)
   当社試験結果(ガス検知管によるテドラーバッグ(注6)内の残留ガス濃度の測定)では、
   初期濃度50ppmのアンモニアガスが、数分後に残留濃度が限りなく0に近くなります。

 2)優れた洗濯耐久性がある
   50回洗濯後も消臭効果が低下しません。工業洗濯後の効果も確認しています。
         
 3)安全性について
   マウス経口急性毒性試験、ウサギ皮膚刺激性試験、ヒト皮膚貼付試験で
   安全性を確認しています。
           
           
4)その他
  ・吸着容量が大きい。
  ・各種形状(ワタ、糸、生地など)での加工が可能です。
  ・他機能との複合化が可能です。
        
                   
4.商品展開について
  ・衣料品      :布帛シャツ、ニットシャツ、パンツなど
  ・インナーウェア  :肌着、トランクス、靴下など  
  ・寝装品      :シーツ、フトンカバー、ナイトウェアなど
  ・リネンサプライ分野:病衣、消臭シーツ、おむつカバーなど
  ・その他      :介護関連品など消臭関係の商品を幅広く展開の予定。
         
              
5.発売開始
  平成13年9月より発売開始(予定)
          
       
6.販売目標
  初年度  1億円
  3年度  5億円
          
             
7.お問い合わせ先
  〒541-8581 大阪市中央区久太郎町2―4―31
  クラボウ大阪本社
  綿合繊事業部 技術部  技術開発課 
  TEL 06―6266―5343  担当  藪
                      
  綿合繊事業部 営業統括部 マーケティングG
  TEL 06-6266-5598  担当 鈴木
                  
  綿合繊事業部 製品・資材部 リビング製品課
  TEL 06-6266-5313  担当 田中



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