ニュースリリース

2001年

2001年11月27日

半導体・液晶製造業向け「ワゴン型微量金属測定装置ML-2100」販売開始

ご注意:この商品は販売を終了しました。 

 

クラボウ(資本金220億円、本社 大阪市中央区、社長 は、半導体や液晶の製造工程で使用する薬液中に混入する微量な金属イオンの種類を判別し、サブppb(百億分の一)レベルまでその量を測定できる「微量金属測定装置 ML-2100」を開発し、半導体・液晶製造業向けに平成14年2月より販売を開始いたします。
 この装置は、昨年のセミコンジャパン2000に試作機を参考出品した時のユーザー情報に基づいて改良・開発したもので、特に要望の多かった希フッ酸(DHF;Diluted Hydrofluoric Acidと略す)、アンモニアと過酸化水素水の混合薬液(SC-1;RCA Standard Clean 1 または APM;Ammonium Hydroxide / Hydrogen Peroxide / Water Mixtureと略す)、水などの薬液中の鉄・銅・ニッケル・亜鉛・アルミニウム含有量の連続モニタリングを可能にしました。また、装置の大きさも試作機に比べ約3割の小型化を実現しました。
 なお、この装置は本年12月5~7日に幕張メッセで開催されるセミコン・ジャパン2001に出展するとともに、同時開催される第3回表面汚染制御セミナー(12月7日、於 同会場)で技術説明を行います。


1.開発の背景と狙い

 クラボウは、半導体と液晶製造業向けに、フッ素樹脂をベースにしたフィルターや継ぎ手等の部品類並びに薬液濃度測定装置「ケミカライザー」シリーズの製造販売を行っています。薬液濃度測定装置「ケミカライザー」シリーズは、他の測定機では困難であった過酸化水素水を含むSC-1等の混合薬液やフッ酸などの濃度管理に、半導体や液晶製造業界で広く採用され、多くの納入実績を誇っております。
 最近、半導体や液晶の製造工程ではデバイスの微細化・高集積化が進み、さらにウエハーの300mmへの大口径化も進みつつあり、そこで発生する薬液内の微量の金属汚染がデバイスの性能・歩留り・信頼性を大きく悪化させる原因の一つであることがわかっています。洗浄工程で使用される薬液は一定時間もしくは一定回数で捨てており、実際に薬液が汚染されているのかどうかは把握できていません。そのため、例えば装置、人体、前工程の洗浄不良による金属の持ち込みなどにより製品が汚染した場合、大量に製品不良あるいは品質低下を生じることとなります。
 現在、現場での金属汚染量の測定方法としては、シリコンウェハー表面に付着した金属量を測定する方法か、薬液をサンプリングし濃縮して大型の測定装置(ICP-MS)(注1)などで測る方法がとられています。いずれにしてもオンライン化が困難であり、一旦汚染が発生すると製造ラインを止め、検査専用のウェハーを製造ラインに流し、工程毎にそのウエハーと薬液を検査するなど非常に煩雑な作業により原因を究明しているのが現状です。さらに、その間製造ラインをストップすることになり、大きな損害を発生します。
 今回の「ML-2100」はこれらの欠点を克服し、オンライン化により自動でリアルタイムに金属汚染を測定できるだけでなく、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウムの判別をも可能にした装置になりました。
 製造コストの削減と環境問題の観点から、洗浄薬液内の金属汚染のレベルを把握することへのニーズが高まってきており、今後、半導体・液晶製造工程において金属汚染のモニタリングシステムに対するニーズはさらに高まることから、この装置を本格販売することとしました。


2.「微量金属測定装置 ML-2100」の概要

「微量金属測定装置 ML-2100」は
(1) 電気化学的測定に悪影響を及ぼすため測定が不可能とされていた過酸化水素水を、連続して分解処理を行うことにより、特にSC-1中でトラブルの多い鉄・アルミ汚染量の測定ができます。
(2) 希フッ酸水溶液、純水中の金属量を高感度で測定できます。
(3) 金属汚染の程度を把握することで薬液交換の時期が適正に判断でき、薬液寿命を延長することができます。
(4) 製品の信頼性向上、歩留まり向上と薬液寿命の延長によるコストダウン、および薬液の排出量の削減により環境への負荷を低減します。
(5) コンパクトなサイズの為、移動可能なセンサーとして洗浄機に接続して使用することができます。


3.測定方法

① ポンプで薬液槽中薬液のサンプリング(希フッ酸、水の場合は②へ)
     (SC-1の場合)前処理槽内でpH調整
     (SC-1の場合)前処理カラムで過酸化水素を分解
② 測定セルに移送
③ 中性付近にpH調整
④ 窒素ガスで脱酸素
⑤ 錯形成剤を添加
⑥ 水銀滴形成
⑦ 測定(参考資料参照)
A) 水銀滴に電位をかけて錯形成された金属イオンを水銀滴表面に吸着させる(酸化濃縮)
B) 逆電位をかけて金属イオンを特有の電位で溶出させ(還元溶出)、その発生電流を測定
※ 水銀による環境汚染を防ぐため水銀に接触した廃液及び排気は水銀吸着カラムを通過後に
排出します。また、使用した水銀は専門再処理業者で再利用水銀として処理します。


4.特長

(1) アンモニア+過酸化水素水混合液、フッ酸水溶液、水中の金属汚染量をリアルタイムにモニタリングが可能
(2) 鉄・ニッケル・銅・亜鉛・アルミニウム等の金属汚染を金属種別毎にサブppbで濃度測定が可能
(3) 閉鎖系・全自動でサンプリングから測定まで行うのでクリーンルーム内への設置が可能
(4) ワゴンタイプなので測定対象の薬液槽への移動が容易
(5) データの取り出し用フロッピーディスク内蔵で容易にレポートの作成が可能
(6) 自己診断機能により、単純な装置トラブルは自己復帰


5.効果

(1) 製品歩留まりの向上
(2) 製品品質の向上
(3) 薬液交換時期の適正な判断と薬液寿命の延長
(4) 廃液量の減少(環境に優しい)
(5) 汚染金属種類の判別による金属汚染源の特定


6.主な仕様

(1)測 定 原 理:ストリッピングボルタンメトリーによる電気化学的測定法
(2)対 象 薬 液:アンモニア+過酸化水素水の混合液、1%以下のフッ酸水溶液、水
(3)対 象 金 属:鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム*1
(4)測定値再現性:±10%
(5)検出感度:0.1ppb(100ppt)
(6)保 証 感 度:0.2ppb(200ppt)
(7)サンプリング方式:循環ラインか薬液漕より配管(サンプリングポンプ内蔵)
(8)測 定 モード:内部パソコン制御(連続測定、一回測定モード切替可能)
(9)最小測定間隔:8分*2
(10)表    示:電源LED、警報パトライト(液漏れ、水銀導通切れ、試薬切れ)
         LCDディスプレイ表示 (濃度トレンド、個別データ)
(11)電    源:AC100V 1kVA
(12)外部入出力:100/10BASE-T(オプション)
(13)データ出力:フロッピーディスク(内蔵)
(14)寸法 ・ 重量:外形450W×500D×1190H(mm)*3  80kg
(15)接液部材質:PFA、PTFE
(16)測 定 電 極:水銀
(17)ユーティリティー:純水、窒素ガス、廃液ライン、排気ライン
(18)専 用 薬 液:中和試薬、緩衝試薬、錯形成剤、水銀、水銀吸着剤
*1 アルミニウムはSC-1と純水の場合に測定可能
*2 DHF薬液で単一金属を測定した場合
*3 警告灯を含むと1270H


7.発売時期

  平成14年2月


8.価格

  1,200万円/台


9.初年度販売予定台数

  50台


10.問い合わせ先

  〒572-0823 大阪府寝屋川市下木田町14-5
  クラボウ 事業化推進部
   TEL(072)823-8340 FAX(072)823-7906 (担当 小郷)
   E-mail: nbp-trm@lab.kurabo.co.jp

以 上

(注1) ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)
ICP(誘導結合プラズマ)をイオン源とする質量分析装置。
アルゴンガスに高周波電波を流して作ったアルゴンプラズマと試料溶液を反応させて検出したい元素をイオン化する(ICP)。その後、質量分析計でそのイオンを検出する(MS)装置。



ニュース一覧へ戻る
PAGE TOP