ニュースリリース

2002年

2002年09月09日

DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現受託解析サービス事業で
Agilent Technologies Inc.と提携。

 

クラボウ(資本金220億円、本社 大阪市中央区、社長 バイオメディカル部は、米国Agilent Technologies Inc.(以下Agilent社)(注1)との間で、Agilent社のDNAマイクロアレイ(注2)を用いた遺伝子発現受託解析サービスを日本国内で実施することについて合意しました。マイクロアレイはAgilent社の日本子会社である横河アナリティカルシステムズ株式会社(注3)と基本契約を結び解析サービス用として供給を受けることになります。解析サービスは10月より受注開始の予定です。


1.提携の経緯と目的

 DNAマイクロアレイは遺伝子機能発現を研究する有効な手段として基礎研究分野で急速に利用が拡大しています。また将来の「テーラーメード医療」での遺伝子診断ツールとしても大きな発展が期待されています。
 クラボウは、1999年6月から本年3月末まで、米国Incyte Genomics社との提携により、同社のcDNAマイクロアレイ(注4)を用いた受託解析サービスを国内で展開してきましたが、Incyte Genomics社の事業戦略の転換により同社のマイクロアレイの入手が困難となっていました。
 他方、Agilent社はIncyte Genomics社の遺伝子クローンを搭載したcDNAマイクロアレイを生産し、国内では横河アナリティカルシステムズ社を通じて、昨年より専用解析装置とともに順調に販売を拡大してきました。しかし、顧客自らがAgilent社のマイクロアレイと解析装置を使用して解析を行うには、多額の設備投資や技術的な熟練度を必要とするため、外部に解析の委託を希望する顧客も比較的多いことから、委託先を探していました。
 このような両社の思惑が合致し、クラボウがAgilent社と提携し、同社のマイクロアレイの供給を受け、顧客からの受託解析サービスを開始することとなりました。
 今回の提携により、クラボウは市場ニーズに沿った各種のDNAマイクロアレイについて網羅的な高密度アレイからテーマ毎にクローンを絞り込んだカスタムアレイまで、より幅の広い受託解析サービスが可能となります。


2.cDNAマイクロアレイの特長

 Agilent社のcDNAマイクロアレイは、パソコン用のプリンターにも用いられているインクジェット方式を利用して作製され、半導体製造で培われた高度な品質管理技術により信頼性の高いマイクロアレイとして供給されています。
 マイクロアレイの種類はヒト、マウス、ラットおよびシロイヌナズナ(シロイヌナズナはオリゴDNAアレイ(注5))を揃え、9,000から15,000種類の遺伝子クローンを1つのアレイに搭載した高密度アレイのため、網羅的な遺伝子発現の研究に適しています。
なお、上記の高密度アレイの実験で得られたデータから顧客が希望するクローンだけを絞り込んで搭載したカスタムオリゴアレイもAgilent社の協力により作製し受託解析サービスとして提供が可能です。

 
3.主な対象顧客と用途

①ヒト、ラット、マウスアレイ
 医科大学および大学医学部、国立研究機関等の基礎医学研究室と製薬会社の薬理、病理、毒性部門が主な対象顧客となります。ヒトとの遺伝子構造に高い類似性が認められるマウス、ラットのモデル動物についてもヒト疾患の原因究明、治療法開発においてアレイのデータを得ることが重要とされています。

②シロイヌナズナアレイ
 農薬会社、国立研究機関の農芸化学/植物生理学者、育種会社などが主な対象顧客となります。2000年末に全塩基配列が植物としてはじめて決定され、栽培の容易性からモデル植物として多用されています。


4.主なサービス内容

 顧客が解析を希望するRNAをサンプルとして提供いただき、クラボウにてサンプル品質チェックの後、必要な解析作業を行い、市販の表計算ソフトで読み取り可能なテキストファイルにてCD-ROMに記録して納品します。また、データの品質をより一層向上させる測定方式としてカラースワップ(注6)を標準サービスとして採用しています。

1)アレイ種類:Human1(12,814クローン)、Human2(14,355クローン)、Mouse(8,737クローン)、Rat(14,815クローン)、シロイヌナズナ(14,880クローン)

2)必要サンプル量:Total RNA 30μg以上、 Poly-A RNA 600ng以上
          (RNA品質チェック及びカラースワップによる2アレイ分を含む)

3)作業内容:サンプルのラベル化反応、ハイブリダイゼーション、スキャニング、イメージ解析、データ品質チェック

4)納品データ:各クローンスポット毎にシグナル値、バックグラウンド値、補正値、発現比、GenBank Accession番号など

5)標準受託価格:80万円(コントロールサンプルをふくめて2サンプルを解析)

6)標準納期:約3週間


5.受託開始

平成14年10月


6.販売計画

初年度 1億円


7.お問い合わせ先

〒572-0823 大阪府寝屋川市下木田町14-41 クラボウ寝屋川ビル5F
クラボウ バイオメディカル部
TEL (072)820-4504 FAX (072)821-9641 (担当)内田
ホームページ:http://www.kurabo.co.jp/bio/
E-mail:qa@bio.kurabo.co.jp

〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2丁目7番1号 イトーピア日本橋本町ビル2F
クラボウ 東京支社 バイオメディカル部
TEL (03)3639-7077 FAX (03)3639-6998 (担当)山畑

〒192-0033 東京都八王子市高倉町9-1
横河アナリティカルシステムズ株式会社
TEL 0120-477-111 FAX 0426-60-8666 (担当)近藤


                                           以上

 

(注1)Agilent Technologies社

 本社 米国カリフォルニア州パロアルト、CEO ネッド・バーンホルト、売上高84億ドル(2001年)、従業員39,000名、ヒューレット・パッカード社の子会社として1999年設立、電子計測機器、半導体製品、およびライフサイエンス、分析機器の大手企業。


(注2)DNAマイクロアレイ

 基板上にDNAを整列(アレイ)固定化させたデバイスの総称。基板の大きさや載せるDNA密度により、DNAマクロアレイとDNAマイクロアレイに分類され、マイクロアレイはガラス、シリコンなどの基板表面にDNAを載せたものをいう。


(注3)横河アナリティカルシステムズ株式会社

 資本金20億円、本社 東京都八王子市高倉町、社長 菅野隆二
米国Agilent Technologies社と横河電機㈱の共同出資会社でAgilent Technologies社の製造するDNAマイクロアレイおよび関連機器を国内で販売。


(注4)cDNAマイクロアレイ

 生体組織より採取したRNAを機能毎に分類したライブラリー(cDNAライブラリー)から任意に選別して作製する、検出したい遺伝子配列を含む500~1000塩基鎖長のクローン(cDNA)を基板上にスポットしたマイクロアレイ。スポットDNAの塩基鎖長が長くサンプルRNAの広範囲な配列領域にわたって結合するため捕捉能に優れ、実験条件も比較的緩やかである為に、網羅的なスクリーニング(もしくは、ホールゲノムスクリーニング)に有用。


(注5)オリゴDNAマイクロアレイ

 cDNAライブラリーの情報をもとに、検出したい遺伝子配列の30~80塩基鎖長の特徴的配列のみを化学合成して作製したDNA(オリゴDNA)を基板上にスポットしたマイクロアレイ。相補的に結合するサンプルRNAとの配列特異性は塩基鎖長の短い分、1塩基の違いを検出できる点で特異性に優れており、微量な遺伝子の発現量差を高感度に検出可能である。


(注6)カラースワップ

 サンプルのラベルに使用するCyanine3およびCyanine5の蛍光標識剤を一つのサンプルについて入れ替えて導入し2種のデータを採取する。これを2種類のサンプル比較時に採用することにより蛍光色素の取り込み効率の違いによるデータ誤差を補正することができる。



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