ニュースリリース

2006年

2006年09月05日

画像解析用組織切片の自動作製装置を開発、今秋より販売
(バイオイメージング事業の拡大を加速化)

 

クラボウ(資本金220億円、本社 大阪市中央区、社長 は、東芝機械株式会社(資本金 124億円、本社 静岡県沼津市、社長 中島礼二)から技術ライセンスを受け、顕微鏡による動物などの生体組織の画像観察に必要な薄切片を自動的に作製する装置「組織切片自動作製装置 AS-200」を開発、本年11月から販売を開始します。この装置により、従来、専門的技術者の手作業に頼っていた切片作製作業が完全に自動化され、作業時間の短縮・作製作業による身体的負担の軽減など、実験の大幅な効率化が可能になります。


1.開発の背景
 クラボウでは平成元年頃からニューバイオの研究を支援する装置や試薬の製造販売を本格化し、ゲノムの構造解析研究に貢献してきました。
 現在のバイオ分野における先端研究は、ポストゲノムとして分子レベルのゲノム構造解析から、マイクロアレイを用いた遺伝子の発現解析、あるいは遺伝子改変動物の形態や行動変化などのゲノム機能解析へと移行しており、組織や細胞内での遺伝子や蛋白の変化を調べる評価系として、画像観察・解析へ研究者のニーズが高まりつつあります。
このように先端研究が変化する中で、クラボウは一昨年より画像関連ビジネスを立ち上げ、「自動化」、「画像」、「解析」をキーワードにしたプレパラートイメージャー(AP-200)を自社開発し、昨年より販売を行っています。同装置は、面倒なプレパラートの画像撮影を自動化し、その画像を定量解析する装置で、最大200枚の組織スライドガラスの解析ができます。
 しかし、一度に多サンプルを自動的に画像撮り込みができても、その前処理であるサンプル作りが面倒との市場からの意見も多く、「サンプル作りから画像撮り込みまで」の一連の自動システム化の要望が高まってきて、東芝機械から技術ライセンスを受け今回の装置開発に取り組むこととなりました。


2.提携の概要
 今回の提携は、クラボウの目指す「サンプル作りから画像撮り込みまで」のシステム構築の構想と、東芝機械の「製品の本格販売を通じた自社保有技術の活用」という考え方が合致したもので、平成18年2月に技術ライセンス契約を締結しました。
 東芝機械では、東京大学(東京大学大学院 工学系研究科 精密機械工学専攻 工学博士 樋口俊郎教授)及び財団法人 神奈川科学技術アカデミー(樋口「極限メカトロニクス」プロジェクト(1992年4月~1999年3月))と共同で、生体組織を連続的に薄く切断する(薄切)技術の研究及び薄切装置の開発を行ってきました。
 今回、同社は、保有する特許の実施権と開発ノウハウをクラボウに提供し、クラボウはこの基本技術とノウハウをベースに、自社のもつ核酸自動分離装置で築き上げた自動化装置の量産技術と作業現場を熟知したケミカルスタッフを活用することで、基礎研究分野や製薬会社の毒性・薬効試験向け等の多種多様な顧客ニーズにマッチした「組織切片自動作製装置 AS-200」の量産タイプの開発に成功しました。
 当面、国内の基礎研究分野での実績作りを行うとともに、将来的には海外販売及び臨床病理分野も視野に入れた製品の改良を継続して行っていきます。
 同時に、同装置を組織画像観察システムの中核製品の一つと位置づけ、特色のある自動化装置でシステム化を図り、バイオイメージング事業の拡大を加速化させてまいります。


3.装置の概略
 従来は薄切からスライドガラスへの貼付、伸展、乾燥までを専門的技術者による手作業で行っていましたが、作業環境や技術者の個人差により切片精度や成功率のバラつき、人材不足などが問題になっていました。この装置では、生体組織をパラフィンに包埋(注)したパラフィンブロックを自動的に薄切(最小厚さ2μm)し、キャリアテープを利用してその切片をスライドガラスに転写、そして乾燥までの一連の作業を完全自動化した装置です。手作業時に比べ切片精度が大幅に向上するとともに作業時間の大幅な短縮が図れます。

(1)装置の特徴
①組織サンプルの薄切からスライドガラスへの貼付、伸展・乾燥作業を自動化。 

②1μm単位で任意の厚みの切片作製が可能。

③1ブロックから最大200枚のスライドガラスへの切片の貼付、あるいは最大
 20ブロック(オプション:100ブロック)から任意枚数のスライドガラスへの貼付
 が可能。

④1枚のスライドガラスに複数枚の切片の貼り付けが可能。

⑤手作業と比較して処理時間を大幅に削減。
  *薄切からスライドガラス200枚に貼付する時間
  ・・・手作業:6~8時間/本装置:約2時間

⑥均質な切片作製が可能。


(2)組織切片自動作製装置の仕様
①モデル・・・AS-200

②セット数
スライドガラス・・・・・最大200枚
パラフィンブロック・・・最大20個(オプション:100個)

③処理時間・・・約2時間/200枚(連続切片作製時)

④切片厚さ・・・2μm以上(2~10μmの範囲で1μm単位の設定可能)

④対応サイズ(W×D×H mm)
a)スライドガラス・・・76×26×1
b)対応カセット及び包埋皿 
カセット・・・28×41×6、28×41×12
包埋皿・・・15×15×5、24×24×5、24×30×5、24×37×5、23×31×14

⑤周囲温度/相対湿度・・・10~40℃ 30~70%RH(非結露)

⑥電源・・・AC100V 50/60Hz 20A

⑦本体外寸(W×D×H mm)・・・約1600×700×1500

⑧重量・・・約650Kg


4.販売目標
装置:100台/5年間(約16億円)

5.お問い合わせ先
クラボウ バイオメディカル部
〒572-0823 
大阪府寝屋川市下木田町14-5
クラボウ寝屋川テクノセンター3F
TEL :072-820-3079 FAX :072-820-3095
担当:種子田(タネダ)  http://www.bio.kurabo.co.jp
            E-mail qa@ad.kurabo.co.jp

(注)包埋
 組織標本を薄く切るために、標本を樹脂やパラフィンなどに浸し、固めること。


ご参考:
[クラボウ]
クラボウのバイオ事業は平成元年から本格スタートし、試薬や研究受託サービス、研究支援装置を主体として、細胞培養関連製品、受託サービス、フィルター製品、自動化及び画像関連装置の4分野で展開している。ゲノム構造解析に使われる「核酸自動分離装置」は大学・国公立研究機関、民間の製薬企業などで圧倒的な採用実績がある。

会社名   :クラボウ(倉敷紡績株式会社)
設立    :1888年3月
資本金   :220億4,000万円
従業員数  :約1,800名  
代表者   :代表取締役社長 (ひろし)
本社所在地 :〒541-8581 大阪市中央区久太郎町2丁目4番31号
TEL:06-6266-5111 FAX:06-6266-5555

主な事業内容:
繊維製造販売、化成品事業、エンジニアリング事業、エレクトロニクス事業、バイオメディカル事業、不動産活用事業 など

[東芝機械]
東芝機械の精密機器事業部では、超精密加工技術応用製品の開発をテーマに、薄切片試料
作製装置を2002年(平成14年)に開発している。

会社名   :東芝機械株式会社   
設立     :1949年3月
従業員数  :約1,500名        
資本金  :124億8,400万円
代表者   :代表取締役社長 中島礼二
本社所在地 :〒410-8510 静岡県沼津市大岡2068-3
TEL:055-926-5141 FAX:055-925-6501

主な事業内容:
射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機、印刷機械、精密機器、油圧機器、電子制御装置、工作機械、半導体製造装置その他の製造及び販売



ニュース一覧へ戻る
PAGE TOP