ニュースリリース

2007年

2007年11月29日

HPVジェノタイピングの受託解析開始

 

クラボウ(資本金 220億円、本社 大阪市中央区、代表取締役社長 井上晶博)は、株式会社ジェネティックラボ(資本金 1億747万円、本社 札幌市中央区、代表取締役社長 堀川武晴)と平成16年8月6日付けで締結した臨床診断や創薬応用を目的とした次世代DNAマイクロアレイの開発契約に基づいて行ってきたヒトパピローマウィルス(HPV)(注1)ジェノタイピングアレイ(注2)の開発に成功し、12月1日よりHPVのジェノタイピングの研究目的での受託解析を開始します。また、丸紅株式会社(資本金 2,626億円、本社:東京都千代田区、代表取締役社長 勝俣宣夫)の協力により、海外市場展開を推進するための活動も平行して開始します。
 なお、11月30日から仙台にて開催される日本臨床細胞学会併設展にHPVジェノタイピング受託解析を出展します。

 

1.技術的背景
 HPVには多くのジェノタイプがあり、その中には、持続的な感染をすると高い確率で子宮頸部癌に移行するものがあると言われていますが、感染しても早い時期に発見すれば完治できることもわかっています。早期発見のためにはHPV感染が子宮頸部癌に移行する可能性の高いハイリスク型であるかどうかを素早く高精度で判定することが必要不可欠です。従来、HPV感染検査はハイリスク型かローリスク型かを判定するハイブリッドキャプチャー法(注3)で行うのが主流でしたが、この方式では、ハイリスク型のどの型に感染しているのかが分からず、しかも一度に検査できるサンプルの数も限られていました。
 クラボウでは、複数の検体を1つのアレイで同時処理可能な多検体DNAマイクロアレイ(注4)プラットフォームとジェネティックラボが保有しているマルチプレックスPCR(注5)の技術を融合することで画期的なDNAアレイ製品の開発に成功しました。この製品をHPV感染検査に活用することで、一度にたくさんの型の検査を高精度に行うことが可能となり、コストも大幅に削減することが可能となります。

 

2.クラボウのHPVジェノタイピングの特長
 クラボウのアレイを使ってHPVを解析すれば、23種類の型(HPV6,11,16,18,30,31,33,34,35,39,40,42,45,51,52,53,54,56,58,59,61,66,68)を簡便に同定することが出来ます。例えば、持続感染で子宮頸部癌に移行する可能性の高いハイリスク型(16,18、52など)と、尖圭コンジローマの原因となるローリスク型(6、11など)も、短時間で、しかも明確に分類できますので、HPV型と子宮頸部癌の関連性の研究やワクチンの研究開発のスピードアップに強力なツールとなります。

 

3.販売目標
 平成23年度 2億円(国内外での研究用途)

 

4.今後の予定
 当面は、国内での研究目的のHPVジェノタイピングの受託解析を展開します。今後、産婦人科や自治体主導の婦人科健康診断への用途展開も図りたいと考えています。
 また、HPVは米国での注目度も非常に高いことから、これまでにも海外への輸出対応や海外製品輸入のパートナーとなっている丸紅との取り組みの一環として、HPVジェノタイピング受託解析ビジネスの米国への市場調査及び浸透活動を開始します。

 

5.お問い合わせ
クラボウ 新規事業開発部 主任部員 小郷和彦
電話:06-6266-5384
Mail:Kazuhiko_Kogou@ad.kurabo.co.jp
http://www.kurabo.co.jp/nbd/array/o_index.html

株式会社ジェネティックラボ 先端医療開発部 西脇森衛    
電話:011-644-7301

以上


<第46回日本臨床細胞学会秋季大会>
会期:平成11月30日(金)~12月1日(土) 
場所:仙台国際センター
   〒980-0856 仙台市青葉区青葉山無番地


<会社概要>
倉敷紡績株式会社
本社:〒541-8581 大阪市中央区久太郎町2丁目4番31号
代表取締役社長:井上 晶博 
設立:1888 年(明治21 年)3 月9 日
資本金: 220億円
従業員(連結): 5,812人(平成19年3月31日現在)
売上高(連結): 1,598億円(平成19年3月期)
事業内容:繊維製造業、化成品事業、エンジニアリング事業、エレクトロニクス事業、バイオメディカル事業、不動産活用事業 など
URL:http://www.kurabo.co.jp/


株式会社ジェネティックラボ
本社:〒060-0009 札幌市中央区北9条西15丁目28番地196
代表取締役社長:堀川 武晴
設立:2000 年(平成12 年)9 月 1日
資本金: 1億747万円
従業員: 60人
売上高:524百万円(平成19年7月期)
事業内容:病理検査受託事業、遺伝子解析受託事業、創薬研究事業 など
URL :http://www.gene-lab.com/

 

 

<語句説明>
(注1)パピローマウイルス(HPV)
 パピローマウイルスとは初期には皮膚イボの原因ウイルスとして同定された、パポーバウイルス科に分類される2本鎖DNAウイルスのことです。HPVには多くの型が存在しますが、その後の研究により子宮頸部癌より極めて高頻度に検出され、感染しているウイルスの型と発癌リスクとに相関があることが判明しております。HPVは感染しても血清抗体価が上昇しにくく、試験管内での培養も困難であるため、遺伝子の塩基配列に基づいた判別法が必要とされています。

 

(注2)ジェノタイピング
 遺伝子を構成する塩基配列の違いを基に、いくつかの型に分類したものを遺伝子型(ジェノタイプ)といい、これらの型を同定(検出)する方法です。HPVの場合、現在までに100種類以上のジェノタイプの存在がわかっています。

 

(注3)ハイブリッドキャプチャー法
 検体中のHPVDNAにRNAプローブを結合させたもの(DNA/RNAハイブリッド)に、特異的な抗体を反応させて検出する方法

 

(注4)DNAマイクロアレイ
 ガラスやシリコン樹脂などの基板の上に多種類のDNA断片を高密度に貼り付けたもので、サンプルに存在する遺伝子(DNA)の種類や量を一度に調べることができる手法です。

 

(注5)マルチプレックスPCR
 PCRは、2つのプライマーと呼ばれる短鎖のDNAが目的のDNAに結合し、このプライマーに挟まれた目的のDNAの部分領域を短時間にかつ大量に増幅させることがでる技術です。しかし、通常のPCR反応では、1つの反応系に1対のプライマーを加えて1種類のDNAを合成しますが、マルチプレックスPCRでは、複数対のプライマーを加えて1本の試験管内で同時に複数のDNAを合成させることができます。



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