ニュースリリース

2014年

2014年10月24日

繊維の技術を活かした射出成形用材料をトヨタ車体と共同開発
コットンと複合した「BIOPELLET®/バイオペレット」を販売開始

 

クラボウ(資本金 220億円、本社 大阪市中央区、社長 藤田晴哉)複合材事業化グループは、トヨタ車体株式会社(資本金 103億7,000万円、本社 刈谷市、社長 岩瀬隆広)(以下、「トヨタ車体」)と共同で、天然繊維である綿(コットン)を強化繊維として利用し、熱可塑性樹脂と組み合わせた射出成形用材料「BIOPELLET®/バイオペレット」を開発しました。クラボウが、本年11月4日から試験販売を開始し、来年1月からの本格生産を目指します。

 なお、この商品は、国際プラスチックフェア2014(注1)に出展いたします。

 

1.開発の背景・経緯

 自動車の燃費改善や二酸化炭素排出量削減には、内外装部品の軽量化が一つの手段としてあげられ、従来から使用されている金属などの代わりに、樹脂の中でも比重が低いポリプロピレン(PP)樹脂ベースの材料を使用する方法が検討されています。このPP樹脂の強度をより高める方法として、環境にやさしく低比重で一定の強度を高められる植物由来繊維の混合が注目されています。

そのような状況の中、クラボウでは、長年培った天然繊維での紡績技術と、平成24年から販売を開始した繊維強化熱可塑性複合材「NEOMATEX®/ネオマテックス」(注2)(以下、「ネオマテックス」)の開発で培った、異素材との複合化技術、連続プレス技術を活用してPP繊維にコットンを混合した射出成形用材料の開発を進めてまいりました。この度、木材繊維を使用した射出成形用材料「TABWD®」(注3)の開発・販売を手がけるトヨタ車体の技術協力を得て、コットンを強化繊維に活用したペレット材料「BIOPELLET®」の開発に成功し、「ネオマテックス」シリーズの新商品として、販売を行うこととなりました。

 

2.「BIOPELLET®/バイオペレット」の特長

「BIOPELLET®」は、クラボウの保有する紡績技術と連続プレス技術を組み合わせる(複合材を構成するコットンとPP繊維を紡績工程で混合した後に、連続的に熱プレス、裁断してペレット化する)ことでペレット状の樹脂の中に繊維長の長い補強繊維を複合(注4)した射出成形用材料です。

 

(1)天然繊維であるコットンを強化繊維として活用

  今回、強化繊維として活用したコットンは、他の植物繊維に比べて「原料自体が撚りのかかった形状を持つ」「柔軟性がある」などの特長があり、PP樹脂にコットンを混合することで強度が高まるとともに曲げ物性や耐衝撃性が高まります。

 

(2)強化繊維の混率が調整可能

  繊維比率を50%まで高めることも可能で、必要に応じて添加剤などを含むPP樹脂ペレットを射出成形時に後添加することで、繊維の含有率や樹脂の流動性の調整を行なうことも可能です。

 

(3)植物繊維の活用で環境にも配慮

コットンは、世界各地で生産されているため安定供給が可能な植物由来の原料であるとともに、コットンの混合比率を高めることにより、貴重な石油由来の原料であるPP樹脂の使用量の削減にもつながります。

 

3.用途展開

  自動車や家具、スポーツ、日用品、各種産業資材など、軽量かつ剛性が求められる様々な分野への用途展開を図る予定です。

 

4.販売開始時期

  試験販売:平成26年11月4日から

  本格生産:平成27年1月(予定)

 

5.販売目標

  平成28年度 1億円

 

6.お問い合わせ先

  クラボウ 大阪本社

  企画室 複合材事業化グループ 担当:山本、神田

〒541-8581 大阪市中央区久太郎町2-4-31

TEL:072-823-8251 FAX:072-823-7906

Email: neomatex@kurabo.co.jp 

 

 

                     以上

 

*「NEOMATEX®/ネオマテックス」および「BIOPELLET®/バイオペレット」は、クラボウの登録商標です。

*「TABWD®」は、トヨタ車体株式会社の登録商標です。

 

 

(注1)国際プラスチックフェア2014

  開 催 日:平成26年10月28日(火)~11月1日(土)

  場  所:幕張メッセ 千葉市美浜区中瀬 2-1

  小間番号:ホール5 50409

 

(注2)繊維強化熱可塑性複合材「NEOMATEX®/ネオマテックス」シリーズ

ネオマテックスとは、熱可塑性のマトリックス樹脂を繊維で強化したクラボウが開発した複合材。軽量で高強度、高弾性であることに加え、短時間で様々な形状に成形することができるため生産性が高いことが特長です。成形品に要求される物性や形状にあわせ、次の3タイプがあります。

・ファブリック(商品名:NEOMATEX®-F)

強化繊維と熱可塑性樹脂を複合した布状のネオマテックス。

・シート(商品名:NEOMATEX®-S)

ファブリックを積層し、加熱プレスをすることでシート状にしたネオマテックス。

・サンドイッチパネル(商品名:NEOMATEX®-SW)

表皮にNEOMATEX®ファブリックまたはシートを使用したサンドイッチパネル。

 

(注3)射出成形用材料「TABWD®」

  TABWD®は、スギから繊維を取り出し、強化繊維としてPP樹脂と混合することで剛性や耐熱性を向上させた射出成形材料です。原料となるスギは、管理伐採により発生する間伐材を用いており、健全な森林の育成にも貢献します。

 

(注4)繊維長の長い補強繊維を複合

樹脂ベースの成形品は、射出成形によって生産されることが多く、樹脂の強度を高めるためには、原料である樹脂ペレットの中に、繊維長の長い補強繊維を混合する必要があります。しかし、射出成形用材料の一般的な生産方法である溶融混練押出製法では、混練時に補強用の繊維が細かく切断されてしまうため、繊維長の長いものを入れることが困難でした。

 



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