• HOME
  • エンジニアリングトピックス

プロジェクトマネージャーが語るエンジニアリングトピックス

  • BACK
  • NEXT

第1回  『クラボウ プロジェクトマネージャー』

「プロジェクトマネージャー」という仕事

 クラボウでは、仕事をお請けした際に、リーダーとなるプロジェクトマネージャーを中心にプロジェクトを推進します。プロジェクトマネージャーに求められるのは、常にお客様満足を第一に考えながら、プロジェクトを最後まで粘り強くやり遂げる『執着力』と、迅速な『行動力』、そのためにメンバーをまとめる『統制力』です。
 私は、現在は、複数のプロジェクトを統括する立場にあります。エンジニアリング部全体の事業計画の立案や運営、技術の進歩を目的とした勉強会の実施、装置の品質や安全性・CSRの監理など、業務内容は多岐に渡ります。しかしながら、常々現場の最前線で仕事をしていた「プロジェクトマネージャー」の立場の頃も意識していますし、その時の経験が活かされていると考えています。
 お客様との接点が多いプロジェクトマネージャーにとって、常に最新情報の収集・分析を行なうことは重要です。ごみ焼却炉などの大型プラント関連の業界や市場の動向の把握、昨今の世界規模での環境意識の高まりを踏まえた最新の環境技術導入、海外の機器調達輸入や海外で発案されるプロジェクトへの参画、現地パートナーの発掘など、多角的な視野でより多くの情報を的確に把握することは、お客様のニーズにあった最適な提案につながります。


お客様やプラントメーカー、パートナーと共に創り上げる

 より良い設備を創り上げるためには、プロジェクトマネージャーを中心に、多くの方々の協力が不可欠です。
 部設立10年目の頃、私が所属するプロジェクトチームが、あるお客様から、排ガス浄化装置の建設を依頼されたことがありました。その装置は、当時、国内では前例のない排ガス処理装置でした。そこでお客様の協力の下、技術研究所での各種テストを何度も繰り返してシステムの最適化を探り、また関係会社・協力会社といったパートナーの力を結集して装置改良を行い、性能向上を果たし、お客様に大変満足していただける浄化装置を完成することができました。結果、お客様から厚い信頼をいただき、以後30年間にわたり、このお客様に10基以上の設備を納入することができました。
 また、別の有害ガス除去装置設置プロジェクトでは、試運転の段階で、お客様の調整運転の状況を見ながら、クラボウの設備の調整を行う作業があり、その際、双方の調整が長引き、お客様と一緒に徹夜をしたりして、助け合いながらプラント全体を完成させたという思い出があります。このようにお客様と完成の喜びを共有した体験は、今でも糧となっています。
 プラント建設のプロジェクトは、プロジェクトチーム単体で完結するものではなく、多くの人々がその建設に関わります。そのような中でお客様やプラントメーカー、パートナーなどとのコミュニケーションを図りながら、常にお客様の満足を最優先に考え、率先して行動することこそがプロジェクトマネージャーに求められます。

創部時の遺伝子を継承させていく

 エンジニアリング部は、今年で41年目を迎えました。高度経済成長期に、いち早く工場の公害対策のプロジェクトチームを立ち上げ、研究開発を行い、その実績が実を結んだ結果として、部の発足につながりました。創部より連綿と引き継がれている目標達成への『執着力』、お客様のために迅速に動く『行動力』、関係各所がプロジェクトマネージャーなどを中心に英知を結集する『団結力』が、クラボウの伝統であり、お客様から厚い信頼を得ている強みだと考えます。
 私は部長として、またひとりの元プロジェクトマネージャーとして、今後もこの先人が培ってきたエンジニアリング部の「精神」を現在の、そして次代のプロジェクトマネージャーに伝え、さらなるエンジニアリングのプロ集団として、お客様のお役に立ちたいと考えています。