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ホーム >> 導入事例 >> インクジェットプリンタ捺染への応用-【B】-捺染スクリーン製版の現状と課題

■事例
インクジェットプリンタ
捺染への応用
繊維捺染製造の課題
製造業を取り巻く環境
繊維捺染製造の現状
【A】テキスタイル及び広告業界におけるインクジェット捺染への応用
インクジェットプリンタ
捺染への応用
インクジェット捺染の
メリットと課題
製造業のイノベーション成功キー
【B】テキスタイル及び広告業界におけるデジタル製版
捺染スクリーン製版の
現状と課題
インクジェットプリンタ
製版への応用
ダイレクト製版の
メリットと課題
製版のデジタル化が
もたらすもの
製造業のイノベーションの成功キー

事例 インクジェットプリンタ捺染への応用

【B】テキスタイル及び広告業界におけるデジタル製版


■捺染スクリーン製版の現状と課題 (『テキスタイル捺染製版』 『広告捺染業界』)


『数多くの工数をかけるアナログ処理から、合理化・省力化をもたらすダイレクト製版へ』

捺染とスクリーン製版の受発注は、複雑な分業によって成り立っている。アパレルやコンバーターが企画した捺染図案は染色工場へ持ち込まれるとその外注の製版工場へスクリーン型の製造が依託される。製版工場は、トレース作業をさらに海外などに外注し、焼き付作業、修正、補強、絵刷りを経て捺染工場へ納品される。これらの工程間では発注者のイメージだけでなく染色工程の条件、使用するスクリーンのメッシュなど細かな指示を伝達する必要があり、捺染意匠の自由な変更が妨げられている。海外とのコミュニケーション手段として、電話、FAX以外に適切な手段がなく、最悪の場合、トレーサー自身が海外拠点へ渡航し、直接指示を下す以外に現実的な解決方法は無かった。

在庫ロスの軽減が最重要課題となるアパレルでは川下からの納期要求はますます強まり、季節性・需要の集中から作業の平準化は年々困難となっている。最近では、日本人技術者が駐在する中国を拠点とした大規模生産に比べ、国内生産は比較的長い納期と、高いコスト、生産の空洞化という皮肉かつ深刻な現実を招いている。

捺染製品の品質の良し悪しは製版によって決定される部分が多い。テキスタイル商品の場合は、ハンカチやスカーフ・ネクタイ・テーブルクロスなどを除きほとんどの柄が切れ目の無いリピート(連続)デザインとなるため製版においてはリピートや版のジョイントが自然な表現となるように加工することが要求される。また、多重色ぼかしや写真調のデザインにおいては、エンボスシートやスプレー式のピースぼかしの手法を用いてグラデーションの表現を行ってきたが、より意匠性の高いデザインが求められるようになり網点の線数や解像度の指定だけでなくグラデーションの階調(トーン)調整やジョイントのつなぎ、モアレ現象の対策などより高度な製版が要求されている。国内捺染製品の差異化要求が高まる中で、今後デザインの意匠性はますます拡大する。

品質上の不良・修正ロスの発生は避けらず、弊社の調べでは、従来工程においてゴミや気泡の混入・フィルム傷などに起因するピンホールの発生率は99.5%にのぼり、ほとんどすべてのスクリーンでピンホールの修正が発生している。さらに、リピートの位置あわせや寸法精度、焼付けムラの調整は難易度も高く不良率は40%に達する。

熟練技術者の不足に加え、人材の育成と技術の継承はますます困難な状況にある。捺染製品の品質、捺染加工の特性を理解し高度化する発注者の要求を理解するためには20年以上の経験が必要とされている。製造の空洞化とコストダウン圧力が進行する中で熟練技術を継承することは並大抵のことでは実現できない。



『広告捺染業界』

広告捺染商品は欧米ではSoft Signageと呼ばれ展示会での横断幕や懸垂(ぶら下げ)幕やスクリーンメッシュへ捺染された製品を意味する。日本の広告捺染商品は450mm~600mm幅で約1,800mm長のポリエステル製ポンジ幟旗が多くそのほとんどが顔料で捺染される。幟旗は、1列または2・3列並列に連続して捺染され1枚ずつカットされ竿に取り付けるチチが縫製されて出荷となる。大判のものは2.5mx5mなどの横断幕や懸垂幕、小さいものは80mmx200mmほどの卓上幟旗がありほとんどがオート式のスクリーン捺染機でプリントされる。イベント用法被や浴衣、団体旗、暖簾などはポリエステルだけでなく綿素材も用いられ顔料や染料の手捺染式も活用されている。この業界では捺染と製版の垂直統合が比較的進んでおり、内製化比率は平均で70%以上とテキスタイル業界に比べて高い。製品の特性上、受注から納品までの納期が極端に短く製版から捺染までの工程を3・4日間で完了させることも珍しくない。

暖簾や法被などオーダー品の需要もありカッティングシートは現在でも使用されているが、2000年以降中堅捺染工場から、インクジェットによるダイレクト製版が導入された。オート捺染を2台以上持つ中堅幟旗製造工場の普及率は、1999年に18%だったが2002年に58%まで増大した。

元来シーズン性が強く、さまざまな広告メディアと競合する中で納期要求はますます高まっている。カッティングシートの剥離や焼付け工程を人海戦術による人手で実施することが困難になってきている。また、広告が多様化する中で訴求効果向上のニーズは高まり従来手法では実現できない写真調デザインは年々増大している。さらに、海外生産や国内の価格競争はさらに激化し製造のコストダウンは企業の大きな課題となっている。


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