シーズン4
面白いことやってやろう。畜産の持続可能性を切り拓くクラボウ。環境メカトロニクス事業部 エンジニアリング部 環境エネルギー課 渡辺祥弘 面白いことやってやろう。畜産の持続可能性を切り拓くクラボウ。環境メカトロニクス事業部 エンジニアリング部 環境エネルギー課 渡辺祥弘
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家畜排せつ物の処理は環境と畜産経営への重い課題 家畜排せつ物の処理は環境と畜産経営への重い課題

畜産業において、家畜排せつ物は厄介な存在です。日本で発生する家畜排せつ物は、年間で約8千万トンにも上ります。悪臭や水質汚染などの環境問題にもなっており、長年にわたり対策が求められてきました。
家畜排せつ物の大半を占める牛の糞尿は、牛舎に敷く「敷料」によって吸収し処理します。敷料は、わら、おが屑、木屑などを原料とし、衛生管理のためにほぼ毎日新しく入れ替える必要があるので、大量の使用済み敷料が発生します。従来、糞尿の混じった使用済み敷料は、堆肥化して農地に還元するのが一般的でした。

しかし、日々大量に発生する堆肥の保管場所や衛生対策は、畜産農家にとって大きな悩み。飼育頭数を増やすなどの規模拡大においても糞尿処理が足かせとなっています。さらに近年では、全国的なバイオマス発電所建設の普及によって木質系原料の価格が高騰し、畜産経営を圧迫しています。
そこでクラボウは、環境プラント分野で培った熱処理技術を活用し、使用済み敷料を殺菌・乾燥して繰り返し再生する自動装置「FUNTO(フント)」を開発しました。

独自の燃焼・廃棄物処理技術で使用済み敷料をサラサラに再生 独自の燃焼・廃棄物処理技術で使用済み敷料をサラサラに再生

きっかけは、ある酪農家からの「敷料を再生して使いたい」という要望でした。使用済み敷料は水分や粘り気が多く、敷料として再利用するには、糞尿を吸収できるサラサラの状態まで乾燥させるとともに、殺菌などの衛生上の問題も解決する必要があります。そのような条件を満たす装置は前例がなく、当社にとっても技術的難易度が高く未知の分野でした。
しかし、その農家の方が手探りで作った設備を見て、私たちの技術力で装置へと完成させ、堆肥・敷料問題で苦しむ畜産農家をなんとか助けたいと、開発に着手しました。「フント」という名称は、日々奮闘している農家を応援したいとの思いからです。

フントは、当社独自の燃焼・廃棄物処理技術を活用し、使用済みの敷料を細かく粉砕しながら、400〜500℃の高温の熱風を作用させて瞬間的に殺菌・乾燥します。再生品は新品の敷料同様のサラサラに復活し、繰り返し再利用が可能です。装置は自動運転するので、農家の労力も大幅に低減。燃料には、廃プラスチックや古紙由来の固形燃料RPFを採用し、資源循環型社会の実現にも貢献します。
一号機は熊本の牧場に納入したのですが、初めてのケースということもあり、事前の想定通りにはなかなか動いてくれないこともありました。三か月間現地に通い詰め、酪農家さんと二人三脚で粘り強く改良を重ねた結果、ようやく完成させることができました。

日本の畜産業をクリーンでサステナブルな成長産業へ 日本の畜産業をクリーンでサステナブルな成長産業へ

フント導入の効果は非常に大きく、敷料購入量を最大で80〜90%削減することも可能です。一号機を納入した熊本のユーザーからは、大量の堆肥の処分に悩むことがなくなり精神的余裕ができたとも聞きました。牛も、再生品を入れるとそこに移動してくるので、サラサラの気持ち良さを実感しているようです。実際、衛生状態が原因で起こる牛の乳房炎も減ったとのことです。

この事業はスタートしたばかりなので、まだまだ改良の余地があります。今後は、より水分率の高い堆肥へ対応するなど、さまざまな性状の敷料を処理できるようにするとともに、燃焼・廃棄物処理技術を活用して牛以外の鶏や豚の排せつ物処理にも対応させたいと考えています。
クラボウは、自社の繊維工場からの排煙・排水問題を解決するため、1970年代から独自の処理技術を開発し、以後、焼却処理やバイオマスボイラーなどの環境プラント設備へと、環境問題へ対応する製品を展開してきました。汚水処理や悪臭対策など、私たちの培ってきた各種の環境技術を活用し、日本の畜産業が環境にやさしく、サステナブルな産業として発展できるようにサポートしたいと思います。

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