クラボウの事業変遷事業・製品

クラボウグループは繊維製造技術の応用から、約130年の歴史の中でその事業領域を広げてきました。樹脂加工技術を住宅建材や自動車部材へ展開する化成品事業、染色工程での「色」制御の自動化から色彩管理および検査計測へと広がったエレクトロニクス事業のほか、エンジニアリング、バイオメディカル、食品事業など、その事業領域は暮らしの中に広がっています。

1888

倉敷に紡績所を設立繊維事業開始

  • 当時の紡績工場
  • 1895年「三馬」ブランドで綿糸の輸出を開始
  • クラボウデニム PRIME BLUE

岡山・倉敷に新たな産業を興すために紡績業で創業。クラボウは世界各地の多品種の原綿をブレンドし、糸の品質安定を実現。厚地素材に最適な太番紡績技術を確立し、日本でいち早くデニム生地の開発も開始しました。

近年では、機能性・感性を追求した高付加価値な繊維素材をグローバルに提供。また、IoTの活用や繊維の再資源化によるサステナブルな事業の創出など、社会課題に対するソリューションを提案しています。

現在の繊維事業

1962

ポリウレタン事業へ進出化成品事業開始

  • 当時の軟質ウレタンフォーム製造工程
  • 住宅用外装化粧材 クランセリート
  • スーパーエンプラフィルム オイディス

海外で寝具にウレタンフォームが使用され始めた頃、ベッドマットレス用の側生地を生産・販売していたことから、マットレス用の軟質ウレタン製品も手掛けるように。やがて住宅業界における断熱需要の高まりとともに硬質ウレタンフォームを用いた住宅建材分野へと進出しました。

独自の樹脂配合技術と成形技術により、自動車内装材や半導体製造向けの樹脂加工品を提供するほか、フィルム事業では高耐熱性をもつスーパーエンプラフィルムなど、現在は多岐にわたる分野へ展開しています。

現在の化成品事業

1962

食品・サービス事業開始

  • 当時のフリーズドライ食品
  • 倉敷アイビースクエア

日本で先駆けてフリーズドライ食品を開発し、現在もフリーズドライのパイオニアとして安全・安心な食品を開発しています。そのほか、クラボウ創業当初の工場を活用した複合文化施設「倉敷アイビースクエア」などの運営を行っています。

現在の食品・サービス事業

1970

排煙脱硫装置開発エンジニアリング事業開始

  • 湿式有毒ガス除去装置「GREATS」
  • 排煙脱硫装置「KBCA」

自社の繊維工場からの排水処理の課題を解決するため、アルカリ性排水をボイラーなどから排出される酸性廃煙と反応させる排煙脱硫装置を開発。以後、排ガス、排水、焼却処理やバイオマスボイラーなどの環境プラント設備へとその基礎技術を展開していきました。

現在のエンジニアリング分野

1976

検査・計測・情報処理システム事業へ進出エレクトロニクス事業開始

  • コンピューターカラーマッチングシステム
  • KURASENSE ロボットシステム

繊維の染色工程の品質を左右する色の管理。クラボウは当時、自社の染色工場のハイテク化において「色」を制御するため、染色配合を正確に算出し染料を厳密に計量する自動化技術を確立。CCM(コンピューターカラーマッチング)システムとして商品化しました。

色のセンシングとソフトウェア技術を深化させ、現在は高精度な画像検査や工場の自動化を実現するロボットシステムなど、検査・計測・情報処理の技術でモノづくりの品質向上に貢献しています。

現在のエレクトロニクス事業

1982

バイオ研究支援フィルター製品分野へ進出バイオメディカル事業開始

  • 初期の核酸自動分離装置「PI-100」

技術研究所での技術開発をもとに誕生したのが除粒子減菌ろ過フィルター。その後、遺伝子研究の関連分野で実験設備を自動化するニーズが高まり、核酸(DNA,RNA)の自動分離装置を開発。当時、遺伝子解析の三種の神器の一つとまで賞賛されました。
現在では、創薬、化粧品開発、前臨床研究の領域で試薬や機器、サービスを提供しています。

現在のバイオメディカル事業

1987

不動産事業開始

2016

バイオマス発電事業開始

エンジニアリング事業で培った自社の流動層ボイラー技術をベースに、木質バイオマス発電所を設立し発電事業を開始。ビッグデータを活用したエネルギーの有効活用などより高度な技術開発に取り組んでいます。