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2015年6月30日

-無撚糸(むねんし)の課題を解決した新たな柔らか原糸誕生-
ふんわり柔らか原糸「ぶわっとヤーン」を販売開始

クラボウ(資本金 220億円、本社 大阪市中央区、社長 藤田晴哉)繊維事業部は、細番手から太番手(注1)まで対応でき、柔らかく膨らみ感のある原糸「ぶわっとヤーン」を開発し販売を開始します。膨らみ感や柔らかさなどの感性面の評価にあたっては、開発・生産を担当するクラボウ丸亀工場の女性従業員で構成された開発チーム「なでしこプロジェクト」のメンバーが取り組みました。

 

1.開発の背景

軟らかさを追求した代表的な原糸として無撚糸がありますが、無撚糸は、繊維が脱落しやすく洗濯などによって毛羽(けば)落ちが発生するなどの問題がありました。また、無撚糸は、技術・物性面において細番手の生産が難しくニット製品やタオルなどに使われる太番手での展開に限定されていました。しかし、細番手が使われる織物などにおいても、感性を重視するお客様の柔らかさへのニーズが高く、細番手の無撚糸が求められていました。

これらの課題を解決するため、タオルやインナー、靴下などの原糸開発・生産拠点である丸亀工場が、糸自体に膨らみをもたせることができる新しい紡績技術を確立し、無撚糸の膨らみ感や柔らかさはそのままに、毛羽落ちがなく細番手への展開も可能な、やわらか原糸「ぶわっとヤーン」を開発しました。また、膨らみ感や柔らかさなど感性面の評価を、丸亀工場の女性従業員で構成された「なでしこプロジェクト」のメンバーが担当し、女性目線での風合いを追求しました。

 

2.商品の特長

「ぶわっとヤーン」は、クラボウが長年培った紡績技術を基盤に開発・確立した、糸の直径を膨らませ、糸自体に膨らみをもたせるという新しい紡績技術により実現した柔らか原糸です。

(1)毛羽落ち抑制

これまでの無撚糸等で避けることができなかった洗濯時の毛羽落ちを抑えつつ、柔らかさと膨らみ感を実現しました。

(2)幅広い用途展開

これまでの無撚糸は、生地強力の問題があり、太番手でのタオル・ニット製品用途にしか展開できていませんでしたが、「ぶわっとヤーン」の開発により中番手から細番手での靴下・カットソーにまで幅広くご使用頂けるようになりました。また、これまで使用できなかった織物用途にも展開が可能となります。加工面でも特別な処理は不要で、子供・ベビー用素材のような、より高度な品質管理が求められる用途にも使用できます。

(3)用途に合わせた原料展開

綿100%や化合繊100%、綿・合繊混など原料の組み合わせは自由に選択できます。また、原料の持つナチュラル感や光沢などの表情を生かしつつ柔らかさや膨らみ感を持たすことができるため、感性と機能性を両立する素材展開が可能となります。

 

3.販売開始時期

(1)販売開始:平成27年9月(受注生産開始)

(2)販売目標:500梱/年

 

4.お問い合わせ先

クラボウ 繊維事業部 http://www.kurabo.co.jp/cotton

営業部門 繊維素材部 原糸課 担当:浅川

〒541-8581 大阪市中央区久太郎町2-4-31

TEL:06-6266-5289 FAX:06-6266-5381

 

以 上

(注1)番手とは

紡績糸の太さを表す単位で、糸の一定の重さに対して長さがいくらになるかで決まります。数字が大きくなると糸の太さが細くなります。

ぶわっとヤーン

ぶわっとヤーン