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2017年3月21日

路面検査コンパクトユニットの開発と販売開始について
~地方自治体のインフラ老朽化対策が低コストで可能に~

クラボウ(資本金 220億円、本社 大阪市中央区、社長 藤田晴哉)環境メカトロニクス事業部は、現在販売している路面検査システムを応用し、一般車両に搭載し高精度に路面の状態が計測・確認できる「路面検査コンパクトユニット(PG-4)」を開発、323日より販売を開始いたします。本製品は、地方自治体が維持管理する道路等の老朽化対策向けに、小型かつ低価格な検査ユニットとして開発したものです。

1.開発の背景

近年、高度経済成長期に整備された社会インフラの老朽化による安全性の維持が全国規模での課題となっており、その補修対応を効率的に行うためのインフラ検査のニーズが高まっています。主な高速道路では検査専用車両を用いての路面性状検査が進む一方で、国内道路の99%を占め、総延長120万キロに及ぶ一般道路の管理を行う地方自治体では予算上の制約から高額な検査設備の導入が難しく、検査作業が追い付いていないのが現状です。従来の道路管理者による目視検査や外部への業務委託などに代わる検査方法として、当社のこれまでの実績とノウハウを活かし、低コストで導入可能かつ高精度な「路面検査コンパクトユニット」を地方自治体向けに開発いたしました。

2.路面検査コンパクトユニット(PG-4について

当社では、従来より独自の高速大容量画像処理技術を用いて、ひび割れの幅、長さ、わだちの深さや路面の荒れ具合などの路面性状を、検査専用車両による最高速度100km/hの高速走行で撮影・計測できる高精度な検査システムを販売しており、平成25年からはNEXCO(ネクスコ)各社をはじめ国内外の高速道路運営管理会社で使用されています。

今回の「路面検査コンパクトユニット」は、その画像処理機器を小型ユニット化し、従来とは異なりライトバンなどの一般車両にも簡単に取り付けが可能であるため、検査専用車両と同等水準の路面性状検査がより低コストで実施することができます。また、道路面だけでなくトンネル内面のひび割れ検査にも適用が可能です。

当社では今後の展開として、道路と同様に老朽化対策需要が見込まれる鉄道や地下鉄のトンネル内面向けにも検査システムを開発しており、本検査システムのさらなる活用と普及を目指します。

搭載走行の様子(ポーランド/平成2711月) ユニットの機器構成と計測イメージ

(1)製品(PG-4)の特長
  ・一般車両に搭載し、最高速度100㎞/hの走行撮影で、高さ解像度0.5mmを実現
  ・ひび割れ、わだち掘れ、ポットホール(注1)、ブリスタリング(注2)等凹凸情報を計測
  ・車両のルーフキャリアと牽引冶具を使用した容易な取り付けが可能
  ・高精細2Dカラーカメラ、赤外線カメラ、IRI(平坦性)などオプションも用意
   (注1) ポットホール:劣化したアスファルトの表層がはがれてできる丸い穴
    (注2) ブリスタリング:劣化した舗装路面から下部に入り込んだ水分が気化し膨れ上がったもの

(2)検査対象
  高速・一般道路、トンネル、橋梁、鉄道、空港滑走路


(左)3Dカメラによるわだち掘れの測定結果 (右)わだちとポットホールの解析画像

3.販売開始時期と販売目標

(1)販売開始:平成29323

(2)販売目標:平成29年度 2億円

        平成30年度 5億円

4.お問い合わせ先

 クラボウ 環境メカトロニクス事業部 技術開発部 企画開発課

  〒572-0823 大阪府寝屋川市下木田町14-30  TEL:072-812-5081

  クラボウエレクトロニクス事業ウェブサイト http://www.kurabo.co.jp/el/index.html